Perfect
Quality
最高品質
なぜDOMORIはこれほどフランスやイタリアなど
チョコレートの本場と言われる国のトッププロから選ばれるのでしょうか?
その秘密は2つあります。
1つは生産地の管理、もう1つは独自の製法です。
Recipe
製法
DOMORIの登場は衝撃的だったとよく言われます。
それはそれまでの業界の非常識な製法を行ったからです。
1997年の創業当時、チョコレートを作る際の配合は、カカオ(マス)、砂糖、カカオバター、ミルク(粉乳)、そしてバニラなどの香料が常識でした。
ところがDOMORIのチョコレートにはカカオと砂糖しか入っていないです。
カカオバターは口溶けや表面の艶にも影響するので、「非常識」な製法だったわけです。
イタリア・ノーネにある工場では独自の機械を使ったDOMORIならではの製造風景が見られます。カカオ農園から届いたカカオ豆を、ロースト(焙煎)し、セパレーターで分離したのち、グラインダーですりつぶします。その後、コンチング(精錬)といって通常は石臼などの道具で長時間練り上げる作業があるのですが、DOMORIはここで「鉄球」(9ミリほどのサイズ)を使って目を細かく練り上げるのです。
このため、カカオバターを加えなくても口溶けが滑らかで、光沢のある美しいチョコレートができるのです。当然ですが、カカオマスと砂糖以外に色々と入れば「純度」が下がり、カカオ本来の風味や香り、味が損なわれてきます。
だからDOMORIの「100% CLIOLLO」は産地の「違い」がはっきりして、その特徴を活かしたチョコレートができるため、プロから見れば商品作りの力強い助っ人になるのでしょう。
ここで少しカカオの種類についておさらいします。
カカオは大きく分けて、クリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種の3種類があります。
ですが、流通量というか生産量はかなり違います。
まず1番多いのが約80パーセントを占めるフォラステロ種です。苦味や渋みが強く、アフリカを中心に広い地域で生産されます。病害虫にも強く栽培しやすいカカオです。
次は全体の10数パーセントのトリニタリオ種で、クリオロとフォラステロの交配種、つまりハイブリット種です。様々な味わいがあり、中米などで多く生産され、栽培もしやすいです。
最後にクリオロ種ですが、元来のカカオはクリオロとも言われ、香り豊かで味も良いのですが病害虫に弱く、栽培も中南米が中心です。生産量は全体の1%あるかないか、と言われています。加えてもう1つ。例外的に言われているのがエクアドルで栽培されているナショナル種です。これはフォラステロの交配種と言われていて、独特の香りがあります。
DOMORIは希少なクリオロ種だけでチョコレートにした、おそらく世界で初めての会社です。現在クリオロを中心としつつも、良質なトリニタリオも手掛けています。
創業者のジャンルーカは、1993年から3年間滞在したベネズエラで気づいたことがありました。それはほぼすべての農園主は「自分が作っているカカオが何の種なのかよくわかっていない」ことでした。なので、ほとんどの農園でこの3つの種がミックスして栽培されていたのです。そこで彼は「品種をベースにして」各農園のカカオを評価し、製品化していくことを決めました。そこで導入したのが「遺伝子検査」です。
農園から送られてくるカカオ豆をDNA分析し、他の種が混じっていないかを厳密に検査しました。結果は農園にフィードバックしています。そうして自分の栽培するカカオを管理できる農園だけがDOMORIと取引できるのです。
これがDOMORIの「ファイン・カカオ」を使った「100% CLIOLLO」製造の舞台裏です。
Country oforigin
生産国
DOMORIでは、ブラジル、エクアドル、ペルー、ベネズエラ、マダガスカル、タンザニア、コートジボワールのカカオを使用しています。
カカオは赤道付近でしかうまく育ちません。高温多湿で一年を通して温暖で、雨期と乾期が必要です。直接カカオ農園を訪れ、どのような人がどのように育てているのか、正しい知識を持っているか、品質管理ができるか、を見極めて合格と判断したカカオ農園とだけ取引しています。
エクアドルの中心都市・グアヤキル。ガラパゴス島への入り口の町としても有名なこの地で200店舗以上の家電量販店を経営するアンドレ・グズマン・バケリーゾ氏は、大好きなカカオの生産を始めました。しかし、「ちょっと始めてみた」という規模ではありません。グアヤキルから車で2時間ほどの場所に東京ドーム100個分くらいの広大な土地をカカオ農園にしたのです。
エクアドルは現在、CCN種という改良品種が主流になっています。CCNは手間がかからず、農薬にも強い、いわば栽培コストの安いカカオです。エクアドル特有の「アリバ・ナショナル種」は農薬や気候の影響を受けやすく、手間もかかります。しかし、アリバならではの香りと味があります。CCNはそれらの特徴をすべて失っていました。
バケリーゾ氏は当初、農園でのカカオ栽培の90%をCCN種にしようと考えました。そのほうが儲かるからです。しかし途中で考えを変え、自分の国の本来のカカオであるアリバ・ナショナル種の栽培を90%以上にすることにしたそうです。
国と交渉し、川から農園に引水し、太陽光パネルで農園の電力をまかない、従業員もその地に住めるようにし、スイスからベテランのカカオ専門家を雇い、2010年頃から栽培を始めました。バケリーゾ氏は収穫がある程度見込めるようになるとジャンルーカに声をかけました。「DOMORIに是非農園を見にきてほしい」と。
彼はDOMORIの経営哲学を高く評価していました。ジャンルーカは早速農園を訪れます。そして、その品質管理の徹底ぶりに驚きました。丁寧な苗木作りから始め、植樹も研究に研究を重ねて行い、収穫後も、独自の手法で仕上げます。
理想を掲げる者同士、すぐに意気投合し、DOMORIはバケリーゾ氏のカカオ豆を採用することにしました。それが「ハシェンダ・ヴィクトリア」(ヴィクトリア農園)として製品化されたのです。
ジャンルーカ・フランゾーニは、いま流行のBean to Barを謳う業者に疑問を持っています。彼はこう語ります。
「カカオの味を決めるのは50%が<遺伝子>です。そして25%が発酵とか乾燥の仕方など<収穫後の作業>によるもの。さらに20%が工場で行う焙煎などの製造工程での影響。残りの5%くらいがテロワール(地域性)によるものです。ワインなど、果実そのものを使うものは(同じ品種を)同じ丘で栽培しても、北と南では太陽を浴びる時間も違うため、味にも違いが出ます。つまりテロワールの影響がとても大きい。カカオでもそうなのかと、ベネズエラの農園に、いろんな国のカカオを試しに植えてみたのですが、結果は本来の種による味の違いだけが出ました。テロワールによる味の影響は出なかったのです。つまり“それが何の種であるか”が重要だということです。
現在のBean to Barはほとんど20%にあたる、焙煎やコンチングなどの作業が味を決めると言っています。オリジナルのチョコレート作りをめざすなら、味に75%もの影響が出る農園に目を向けないとダメだと思うのです」
DOMORIはチョコレートの味を決める<遺伝子>の徹底した調査・研究と、農作地であるカカオ農園での<発酵・乾燥>の作業のクオリティを上げることに力を入れています。
DOMORIは小規模農家などと取引をする際、まず小ロットのカカオ豆を取り寄せて、遺伝子検査をし、本番と同じ構造の小さな機械でチョコレートを試作し、評価・検査します。その結果を農家にフィードバックし、より良いカカオ豆作りに役立ててもらうという地味な作業を繰り返し繰り返し行います。
ジャンルーカはこうも言います。
「現地の人は自分が栽培したカカオが、その後どうなってチョコレートになるのか理解していません。ですが、栽培・収穫・発酵・乾燥などをどう管理すればいいのかは教えればわかってくれます。たとえそれが5年、10年かかるとしても、それを続けることに意味があると思っています」
ベネズエラには3年間住み込んで農家と「カカオ・フィーノ(ファイン・カカオ)」作りにを励んだ。いまそれを世界15カ国で行っているという(商品化された国はまだ8カ国)。
“当たり前のことを当たり前以上に行う”。“正しく物事を見る”。DOMORIは創業以来このことを徹底して行ってきました。
チョコレートは目に見えないところで美味しさの大部分が決まっているのです。